AVEVA、インダストリアルデータの利活用を支援するAVEVA Asset Information Managementを三菱ケミカルに提供
~複数システムにまたがる生産・運転データの連携基盤を構築し、化学プラントDXを促進~
産業用ソフトウェアの世界的なリーダーとしてデジタルトランスフォーメーション(DX)および持続可能性を推進する英AVEVAの日本法人であるAVEVA株式会社(本社:東京都港区、VP、日本統括:小暮 正樹、以下AVEVA)は、三菱ケミカルグループ株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長 Jean-Marc Gilson、以下 三菱ケミカル)が、化学プラントのデジタルトランスフォーメーション(DX)と持続可能なイノベーションを加速させるため、インダストリアルデータの連携基盤として、AVEVA Asset Information Management (AIM) 1を導入したことを発表しました。
三菱ケミカルは、九州事業所の新設プラントを全社的なモデルプラントと位置づけてAVEVA AIMの導入を決定し、今後、AVEVA AIM以外にも様々な先進的なデジタルソリューションの展開を進めていきます。
設備の経年劣化によるリスクの高まりや労働者不足などの課題解決に向け、三菱ケミカルでは、化学プラントDXを推進しています。化学プラントでは、安全確保や条件の複雑さからデジタル活用が困難ともいわれていますが、同社はIoTやAI(人工知能)などを活用したDXに取り組んでおり、データドリブンなマネージメントとオペレーションを実現しようとしています。具体的には、機器に振動センサーなどを設置して稼働情報を収集。プロセスや設備の自律的な自己診断による設備・品質トラブルの未然防止などを目指しています。
AVEVA AIMは、3Dモデル、インテリジェントP&ID、図面、データシート、仕様書、保全システムの履歴、点群データ、 さらに、AVEVA PI System2で集約した運転データなど、特性の異なる多様なデータを一元化し、機器番号やループNo.などのタグを中心にプラントに携わる様々なデータの連携を可能にするクラウド型のインダストリアルデータソリューションです。また、AVEVA PI Systemとの連携により、リアルタイムの運転データの把握も可能にし、情報の検索と検証時間を最大60%削減し、異常時のダウンタイムを最小限に抑え、必要なメンテナンスや設備更新の最適なタイミングを判断するのに役立ちます。
同社は化学プラントの生産・運転に関する情報をいつでも・どこでも・必要な人がリアルタイムに可視化するために、AVEVA PI Systemを2019年より全社標準として採用し、プロセスデータ基盤の整備・標準化を進めてきました。
AVEVA PI Systemには各事業所・工場の運転/保全領域のヒストリカルデータが20~30年分蓄積されており、複数システムにまたがるデータを活用する場合、最新情報を取得するために関係部署や現場での確認に時間を要し、また、熟練の知識に頼ることも多くありました。さらに、データ量が膨大となり、システムも更新され、最新情報の取得が容易ではなくなるなか、サイロ化されたデータの利活用が新たな課題となっていました。
価値あるデータを効率的に引き出すために連携基盤構築は化学プラントDXにおける重要なカギとなります。この新たな課題解決のために、特性の異なる多種多様なデータを一元管理し、また、分散したシステムを横断して必要なデータの活用を容易にするAVEVA AIMの採用が決定されました。
三菱ケミカル株式会社 ビジネスソリューションデリバリー本部 DXソリューションデリバリー部長 青山 貴征 氏
は次のように述べています。「DXを通じて、プラントの運用と管理を革新することで、より安全で効率的な運営を実現し、持続可能な成長を目指しています。AVEVA PI Systemは、重要なデータを持つシステムの1つであり連携対象に含めることで、静的データの確認からトレンドデータなどの動的データの確認へシームレスに遷移でき、AVEVA PI System単体で利用するよりも活用の幅や頻度が上がり、大きな相乗効果が得られると考えています。また、AVEVA AIMの導入により、データドリブンなプラントマネージメントを推進し、新たな洞察と価値を創造していきます。」
AVEVA株式会社 VP, 日本統括 小暮正樹は次のように述べています。「AVEVA AIM と AVEVA PI System によるインダストリアルデータプラットフォームを活用することで、お客様はデータインフラストラクチャをシームレスに構築し、信頼性と持続可能性を最適化しながら、プラントをより効果的に運用することができます。これにより、レジリエンスとアジリティを強化しながら、お客様の資産管理戦略を次のレベルに引き上げることができます。三菱ケミカル様と協力し、同社のサイト標準化と化学プラントDXの取り組みを支援できることをうれしく思います。」
三菱ケミカルでは、AVEVA AIMを通じて、遠隔地からのリモート運転において、異常を知らされたリモートオペレーターが、現地の機器や運転状態に関する情報を入手し、過去の対処経緯や履歴データを参照しながら的確な復帰操作支援をするといった使い方を計画しています。
以上
注:
1 AVEVA™ Asset Information Management :複数の情報源やシステムのデータを信頼できる実用的な考察に変え、設備、文書、図面など様々なデータフォーマットの情報を特定、相互参照して提示します。クラウド、オンプレミス、またはハイブリッドアプローチに展開する独自のアプリケーションが情報確認スピードを加速し、分散したユーザーグループに共通のデータ資産を提供します。このソリューションは、データに基いた意思決定を促進し、プロジェクトの計画、オペレーションフォーマンス、および安全性の最適化と同時に、リスクを低減します。
2 AVEVA™ PI Systemは現場オペレーションデータを収集、充実、可視化、共有するための 産業向けソフトウェアスイートです。AVEVA PI Systemは、データ サイロを排除し、信頼できる唯一の情報源に簡単にアクセスを提供します。
AVEVA について
AVEVA は、産業用ソフトウェアのグローバルリーダーとして、独創的なソリューションで適切に世界中の資源の有効活用をサポートしています。AVEVA の安全な産業用プラットフォームとアプリケーションを利用することで、企業は自社の事業を最適化するだけでなく、お客様、サプライヤー、パートナーからなる幅広いエコシステムとの連携を強化できます。
100カ国以上、20,000社以上の企業が、安全で信頼できるエネルギー、食糧、医薬品、インフラなどの生活必需品を提供するためにAVEVAを活用しています。AVEVAは、信頼できる情報とAIを駆使した洞察力で人々をつなぐことで、チームの効率的なエンジニアリングおよび業務の最適化を実現し、成長と持続可能性を促進します。
AVEVAは世界で最も革新的な企業の1社選出され、オープンなソリューションと、世界中の 6,400 人以上の従業員、5,000 社のパートナー、5,700 人以上の認定開発者の専門知識を活かし、お客様をサポートします。世界中で事業を展開する AVEVA は、英国ケンブリッジに本社を置きロンドン証券取引所に上場し、FTSE 100 の構成銘柄にも選ばれています。
詳細はhttps://www.aveva.com/ja-jp/をご覧ください。